腎臓は、背中側の腰の高さに左右1個ずつある臓器です。
こぶし大の大きさで血液中の老廃物を濾過して尿をつくる体の「排水処理場」になります。
腎臓には、心臓が1回の拍動で送り出す血液の約4分の1が送り込まれ、濾過が繰り返されます。
最終的に約1.5リットルまで減って尿として排出されます。
腎臓のおもなはたらきとしては・尿をつくりだす。
・血圧を調整する。
・赤血球をつくるホルモンを出す。
・カルシウムの吸収を増加させるビタミンDを活性化させる。
等があります。
腎臓の機能が正常の10%以下に低下すると、尿から老廃物や水分が適切に排泄されなくなり、尿毒症・水分過多による心不全等の症状が出てくる危険性があります。
その際に、本来は腎臓を介して尿に捨てている老廃物・余分な水分を除去していく代替治療が必要になります。それが透析療法になります。
慢性腎臓病に対する透析療法は一度開始すると、永続的な治療が必要です。
透析について透析療法には「血液透析」と「腹膜透析」の2種類の治療法があります。
血液透析とは尿毒素に汚染された血液を体外に導き、人工腎臓と呼ばれるダイアライザーの装置に一定量のその血液を送り、血液の中の老廃物を取り除き、余分な水分を除去し、電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン)の濃度を調節し、血液pH(酸-アルカリ性)を改善し、血液をきれいにして体内に戻す方法になります。
血液透析は週に2~3回、一回3~5時間行いますが、正常の腎臓の10%ぐらいの働きしかできず、血液透析で腎臓の機能を代行する人は水分や食事をはじめ日常生活の過ごし方には要注意が必要です。
腹膜透析とは自分の腹膜を透析装置として利用する方法で、血液透析と比較して通院の回数を減らせる、生活に合わせた透析ができる等の利点のある治療法になります。
日々食事や透析の管理を自分で行う必要もあります。
腹膜透析とは透析の種類の1つで、お腹にカテーテルと呼ばれる医療用の管を挿入して腹腔内に透析液を出し入れすることにより、血液中の老廃物や余分な水分を取り除く方法になります。
血液透析に比べて体への負担が少ない点や残された腎臓の機能が保たれやすいといった利点があります。
そのほか通院時間を減らすことができるなどの利点もあります。